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沖縄のバスでSuicaは使える?支払い方法と注意点を解説

沖縄旅行の計画を立てる際、レンタカーを使わずに那覇市内や美ら海水族館などの観光地へバスで移動しようと考えている方は非常に多いのではないでしょうか。そんな時にふと頭をよぎるのが、普段の通勤や通学で当たり前のように使っているSuicaやPASMOといった交通系ICカードが、沖縄のバスでも同じように使えるのかという疑問です。

空港に降り立ち、ゆいレールにはスムーズに乗れたのに、いざバスに乗り換えようとしたら手持ちのカードが全く反応せず、運転手さんに現金支払いを求められて焦ってしまったという経験をする旅行者は後を絶ちません。

実は、沖縄県内の公共交通機関におけるキャッシュレス決済の事情は日本本土とは大きく異なり、Suicaが使える路線と使えない路線、そしてクレジットカードのタッチ決済しか使えない路線などが複雑に入り組んでいるのが現状です。

記事のポイント
  • 沖縄本島の主要路線バスにおけるSuicaおよび相互利用ICカードの対応状況
  • Suicaが使えないバスでも小銭を使わずに乗車できるクレジットカードの活用術
  • 沖縄限定のICカードOKICAを購入するメリットと観光客にとってのデメリット
  • 美ら海水族館やアメリカンビレッジなど人気観光地ごとの最適なバスと支払い手段

沖縄のバスでSuicaは使えるか?

結論から申し上げますと、2025年12月末現在、沖縄県内を走る路線バスの多くは「基本的にSuicaやPASMOなどの全国交通系ICカードには対応していない」と認識しておくのが最も安全です。しかし、全てのバスがダメというわけではなく、運行するバス会社や路線によってはSuicaが完璧に使えるケースも存在します。ここでは、旅行者が最も利用する可能性が高いバス会社ごとの対応状況と、乗車時に見分けるためのポイントを深掘りして解説していきます。

主要4社バスでのSuica利用不可

沖縄本島には、通称「4社」と呼ばれる主要なバス事業者が存在します。「沖縄バス」「那覇バス」「琉球バス交通」「東陽バス」の4社です。これらのバス会社は、那覇市内を走る生活路線から、リゾートホテルが立ち並ぶ西海岸エリア、さらには南部や北部を結ぶ長距離路線まで、沖縄のバスネットワークの根幹を支えています。

残念ながら、この主要4社が運行する一般的な路線バスでは、Suica、PASMO、ICOCAといった全国相互利用交通系ICカードは原則として利用できません。

初めて沖縄バスに乗る方がよく勘違いしてしまうのが、運賃箱に設置されている「黄色いカードリーダー」の存在です。乗車口で整理券発行機の隣にICカードをタッチするような機械があるため、「あ、これならタッチできる!」と直感的にSuicaをかざしてしまうのですが、これは沖縄県内専用のICカード「OKICA(オキカ)」専用の端末なのです。Suicaをかざしても「ピピピッ」というエラー音が鳴るだけで、運賃を支払うことはできません。

特に注意が必要なのが、観光客の利用頻度が極めて高い以下の路線です。

  • 20番・120番(名護西線):那覇空港から国際通り、北谷(アメリカンビレッジ)、恩納村リゾートホテル群を経て名護まで走る、まさに観光のメインルートです。
  • 89番(糸満線):那覇バスターミナルからアウトレットモールあしびなー方面や糸満へ向かう主要路線です。
  • 那覇市内線全般:国際通り周辺や首里城へ向かうバスのほとんどがこれに該当します。

これらの路線バスに乗車する際は、「Suicaは使えない」という前提で準備をしておく必要があります。ただし、後述するように一部の路線や車両では「クレジットカードのタッチ決済」が導入され始めています。

乗車時の重要チェックポイント
バスの乗車口にある黄色やオレンジ色のリーダーは「OKICA専用」です。Suicaは反応しませんので、必ず入り口で「整理券」を取ってから席に座るようにしてください。

Suicaが使える路線とバス会社

「それなら、沖縄でSuicaは全く役に立たないの?」というと、決してそうではありません。実は、既存の4社とは異なる独立系のバス会社や、観光客向けに特化した路線では、Suicaなどの交通系ICカードをそのまま利用できる環境が整っています。

特に以下のバスを利用する場合は、お手持ちのSuicaで快適に移動が可能です。

バス会社・路線名Suica対応状況特徴と主な行き先
やんばる急行バス○ 完全対応那覇空港と美ら海水族館、運天港を直結。予約不要で乗れる急行バスとして非常に人気があります。
沖縄エアポートシャトル○ 完全対応那覇市内と恩納村、美ら海水族館を結ぶリゾートライナー。便数も多く、Suicaが使えるため観光客に最も優しいバスの一つです。
東京バス(沖縄営業所)○ 利用可ウミカジテラスや北谷、糸満のホテルへ直行。交通系ICカードおよび各種タッチ決済に対応しています。
カリー観光バス△ 路線によるパルコシティ行きなどは一部対応ですが、那覇空港~北谷路線などはSuica不可(OKICAも不可)の場合があるため、公式サイトでの確認が必須です。

特に「やんばる急行バス」「沖縄エアポートシャトル」、そしてウミカジテラスへ行く「東京バス」の存在は大きいです。これらは観光客の利便性を第一に考えてシステムを導入しているため、本土からの旅行者がストレスなく乗車できるようになっています。

一方で、同じ「美ら海水族館行き」であっても、主要4社が共同運行している「高速バス117番・111番」については、Suicaが使えない(ただしクレジットカードは使える)というねじれ現象が起きています。バスの見た目や行き先が似ていても、運行会社によって「Suicaの可否」が異なるという点が、沖縄のバス事情を難しくしている最大の要因と言えるでしょう。

iPhoneやスマホでバスに乗れる?

最近はプラスチックのカードを持ち歩かず、iPhoneのApple PayやAndroidのGoogle PayにSuicaやPASMOを入れて利用している方も多いですよね。私も普段はスマホ一つで改札を通っているので、その便利さは手放せません。

結論から言うと、「物理カードのSuicaが使えるバス路線(やんばる急行バスなど)であれば、モバイルSuicaも問題なく利用可能」です。

読み取り機の仕組みは本土のバスや電車と同じ「FeliCa(フェリカ)」規格ですので、スマホの背面や上部をリーダーにかざせば「ピピッ」と反応して乗車できます。電源が入っていれば、アプリを立ち上げる必要もありません。

しかし、ここで一つ大きな混同ポイントがあります。それは「Apple PayのSuica」と「Apple Payのクレジットカード(タッチ決済)」の違いです。

先ほど「主要4社のバスではSuicaは使えない」とお伝えしましたが、実はこれらのバスでは「クレジットカードのタッチ決済」への対応が進んでいます。もし、あなたのiPhoneのウォレットアプリにVisaやJCBなどのクレジットカードが登録されており、そのカードがタッチ決済に対応していれば、Suicaとしてではなく「クレジットカード」としてスマホをかざすことで乗車できるのです。

スマホで乗るための2つのルート

  1. モバイルSuicaで乗る:やんばる急行、沖縄エアポートシャトルなど(FeliCa規格)
  2. スマホのクレカタッチで乗る:沖縄バス、那覇バスなどの対応車両(NFC Pay規格)

つまり、「スマホでバスに乗れるか?」という問いに対しては「乗れる」が正解ですが、「どのアプリ(カード)を呼び出してかざすか」がバス会社によって異なるのです。4社のバスに乗る際は、エクスプレスカード設定のSuicaではなく、サイドボタンをダブルクリックしてクレジットカード画面を出してからかざす必要がある、という点を覚えておくと、現地でスマートに乗車できますよ。

⚠️ スマホ決済派は「電池切れ」に注意!
タッチ決済やモバイルSuicaは便利ですが、スマホの充電が切れた瞬間に「財布なし」の状態になってしまいます。特に沖縄は日差しが強くて画面を明るくしがちなので、バッテリーの減りが早いです。
バス待ちの時間に充電できるよう、コードレスで挿せる小型モバイルバッテリーを一つカバンに入れておくと安心感が違います。

美ら海水族館へはSuicaで行ける

沖縄旅行のハイライト、美ら海水族館。那覇市内からはバスで約2時間〜2時間半の長旅になりますが、このルート選びこそが「Suicaを使えるかどうか」の分かれ道になります。

もしあなたが、「絶対にSuicaの残高を使いたい」「クレジットカードはあまり使いたくない」と考えているなら、選択肢は以下の2つに絞られます。

1. やんばる急行バスを利用する

最もポピュラーな選択肢です。那覇空港から乗り換えなしで記念公園前(美ら海水族館)まで直行できます。運賃の支払いにSuicaが使えるほか、PayPayなどのQRコード決済にも対応している場合が多いです。

2. 沖縄エアポートシャトルを利用する

こちらもリゾートエリアを経由して水族館へ向かう特急バスです。全便でSuica等の交通系ICカードに対応しています。また、特筆すべきは「2回乗車券」などの割引チケットも販売されていますが、単発利用ならSuicaタッチが最も手軽です。

一方で、バスターミナル等でよく案内される「高速バス 117番系統」には注意が必要です。このバスは4社による共同運行便であり、車両も立派な高速バスタイプで快適なのですが、運賃箱はSuica非対応です。その代わり、VisaやJCBなどのクレジットカードタッチ決済には対応しています。

私の実体験メモ
以前、友人が117番バスに乗った際、「Suicaで」と言ってタッチしようとして運転手さんに止められている場面に遭遇しました。その時は友人がクレジットカードを持っていたのでタッチ決済で事なきを得ましたが、もし現金もカードもなかったらと思うとヒヤッとしました。美ら海方面へ行く際は、バスの車体に「やんばる急行」や「Airport Shuttle」と書いてあるか、それとも「高速バス」なのかをよく確認しましょう。

OKICAとSuicaの互換性と違い

「なぜ沖縄だけSuicaが使えないの?」「OKICAって何?」という疑問を持つ方も多いでしょう。この背景には、システムの導入コストと、沖縄独自の交通事情があります。

OKICA(オキカ)は、2014年に沖縄県内のモノレールとバスで導入された独自のICカードシステムです。導入当時はSuica等の全国相互利用サービス(サイバネ規格)とは異なる独自規格だったため、「OKICAエリアではSuicaが使えず、SuicaエリアではOKICAが使えない」という、互換性のない状態が続いていました。

しかし、2020年3月、沖縄の玄関口である「ゆいレール(沖縄都市モノレール)」がついにSuica等の全国交通系ICカードに対応しました。

ここで大きな誤解が生まれます。「空港からモノレールに乗る時はSuicaが使えた!じゃあ、沖縄全部で使えるようになったんだ!」と思ってしまうのです。しかし現実は、「ゆいレールだけがSuicaに対応し、バス会社は依然として非対応(または独自にクレカ対応へ舵を切った)」という状況です。

ちなみに、OKICAは当初交通専用でしたが、2021年以降、タクシーや県内の一部商業店舗でも電子マネーとして利用できるようになりました。とはいえ、Suicaのようにどこのコンビニでも使えるわけではなく、加盟店は限られています。あくまで「沖縄県民のための生活カード」であり、短期滞在の観光客が無理に作る必要性は低いと言えるでしょう。

沖縄のバスでSuica以外の支払い手段

Suicaが万能ではないことが分かったところで、「じゃあ、どうやって支払うのが一番賢いの?」という疑問にお答えしましょう。現金の煩わしさから解放されるための、最新の支払いトレンドをご紹介します。

クレジットカードのタッチ決済が便利

今、沖縄のバス業界が全力で推進しているのが、Suicaの導入ではなく「クレジットカードのタッチ決済(EMVコンタクトレス)」の普及です。これこそが、Suicaを持たない外国人観光客や、本土からの旅行者にとっての「最適解」となりつつあります。

三井住友カードなどが提供する公共交通機関向けソリューション「stera transit」を活用し、沖縄バス、那覇バス、琉球バス交通、東陽バスの主要4社は、観光路線や空港リムジンバスを中心にタッチ決済対応リーダーの搭載を進めています。

使えるカードブランドと注意点

基本的には、カードの券面に「電波のようなマーク(タッチ決済対応マーク)」がついている以下のブランドが利用可能です。

  • Visa
  • Mastercard
  • JCB
  • American Express
  • Diners Club
  • Discover
  • 銀聯

また、全ての車両で使えるわけではない点にも注意が必要です。那覇市内の古い車両やローカル路線では、まだタッチ決済機器が搭載されていないケースもあります。乗車口に「VISA」などのロゴが入った黒や青色の専用リーダーがあるかどうかが目印です。

(出典:内閣府 沖縄総合事務局『運輸要覧』より公共交通の現状参照

現金払いの注意点と両替の方法

デジタル機器の不具合や、ローカルすぎてタッチ決済非対応のバスに乗る場合に備えて、現金のルールも知っておく必要があります。沖縄のバスでの現金支払いは、本土と比べて少しアナログで、厳格なルールがあります。

最も注意すべきは「運賃支払いに使えるお札の種類」です。

現金利用時の絶対NG行為

  • 1万円札、5千円札の使用:運賃箱の両替機に入りません。運転手さんも持ち合わせがない場合が多く、乗車拒否はされませんが、非常に困った事態になります。
  • 2千円札の使用:沖縄県内ではATMで2千円札が出てくるほど流通していますが、残念ながら古いタイプのバス運賃箱では対応していないことがほとんどです。

※OKICAへのチャージ(積み増し)の際は高額紙幣を受け付ける機器もありますが、「運賃の支払い(両替)」においては千円札と小銭しか使えないと考えて準備しておくのが鉄則です。

支払い方法は「整理券方式」です。 1. 乗車時に整理券を取る。 2. 前方の運賃表示モニターで、整理券番号に対応する金額を確認する。 3. 降車時に、運賃箱の両替スロットで千円札を小銭に崩す。 4. 整理券と、ぴったりの現金を運賃箱に投入する。

お釣りは自動では出ません。この「両替してから支払う」というワンクッションが、降車時の混雑を生む原因にもなっているので、可能な限りクレジットカードなどのキャッシュレス決済を利用したいところです。

💡 バス旅の必須アイテム:中身が見やすいコインケース
沖縄のバスで一番焦るのが、降りる直前に「小銭がない!」と気づいた時です。揺れる車内で財布から小銭を探すのは大変…。
私は沖縄に行く時だけ、サッと開いて中身が全部見える「ボックス型のコインケース」を愛用しています。これに千円札と小銭を入れてポケットに入れておくだけで、バスの乗り降りのストレスが激減しますよ。

OKICAの購入場所と払い戻し方法

「記念にOKICAが欲しい」という方もいるでしょう。OKICAは、ゆいレールの各駅券売機や、那覇バスターミナル、各バス営業所で購入可能です。購入時には500円のデポジットが必要です。

ただし、短期旅行者がOKICAを使う際に最大のハードルとなるのが「払い戻し(解約)」の場所です。

よくある勘違いとして、「帰りに空港のモノレール駅で払い戻せばいいや」と考えがちなのですが、実は「ゆいレールの各駅窓口では、OKICAの払い戻し(解約)はできない」というルールがあります(定期券部分を除く)。

OKICAを払い戻すには、「OKICA取扱事業所」へ行く必要があります。旅行者にとって最も現実的なのは、那覇空港国内線ターミナルビル1階にある「那覇バス・琉球バス交通 那覇空港事務所」です。到着ロビーにあるカウンターですね。

わざわざバス会社のカウンターまで行って、手数料(220円程度)を引かれて払い戻す手間を考えると、年に数回レベルの旅行であれば、あえてOKICAを作らずに、クレジットカードのタッチ決済と現金の併用で乗り切るスタイルが最もスマートだと私は思います。

目的地別のおすすめ決済方法リスト

最後に、主要な観光地へ行く際に「どのバスに乗って、どう支払うのが正解か」をまとめました。迷った時はこの表を参考にしてください。

目的地推奨バス(系統)Suicaクレカタッチ備考
美ら海水族館やんばる急行バス×※※一部QR決済可。Suicaが一番楽。
美ら海水族館沖縄エアポートシャトル決済手段が豊富。便数も多い。
美ら海水族館高速バス(117番)×4社運行。座席は快適だがSuica不可。
アメリカンビレッジ東京バス(TK05)北谷直行。各種決済に対応し便利。
アメリカンビレッジ路線バス(120番)×本数は多いが時間がかかる。
ウミカジテラスウミカジライナー東京バス運行。SuicaもクレカもOK。
那覇市内・首里城ゆいレールモノレールは全決済対応で最強。
那覇市内・首里城市内線バス×クレカ未対応車も多い。現金が無難。

【準備編】バス旅には「紙の地図」もあると安心

スマホのGoogleマップは便利ですが、沖縄の郊外に行くと電波が弱かったり、バス停の位置が微妙にズレて表示されることがあります。
そんな時、やっぱり頼りになるのが最新のガイドブック。特に「るるぶ」や「まっぷる」の最新版には、主要なバス路線図や時刻表のQRコードが付いているので、バス旅の計画には欠かせません。出発前に最新版をチェックしておくのをお忘れなく!

沖縄のバスとSuicaの現状まとめ

今回は「沖縄 バス Suica」をテーマに、現地で迷わないための決済知識を詳しく解説してきました。

結論をもう一度整理すると、「沖縄の主要路線バスではSuicaは使えないが、クレジットカードのタッチ決済があれば、チャージの手間もなく主要観光地へスムーズに行ける」というのが2025年12月末時点での正解です。

Suicaが使える「やんばる急行」や「エアポートシャトル」を上手く組み合わせつつ、基本装備として「タッチ決済対応のクレジットカード(またはスマホ)」を準備しておくこと。そして念のための「千円札」を数枚財布に入れておくこと。これだけで、沖縄のバス移動に対する不安は9割解消されます。

バスの窓から見える青い海は格別です。ぜひ、支払い方法の不安を解消して、快適なバスの旅を楽しんできてくださいね!

Reirei

こんにちは!沖縄好きのReireiです。 沖縄の魅力を、体験談と地元目線の情報を交えてご紹介します。 観光スポットだけでなく、穴場やグルメ情報も併せてご紹介。 「どこに行こう?」と悩むあなたの旅のヒントになりますように。

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