やんばる地方は、山々にうっそうとした森が広がる自然豊かなエリアです。 2016年9月には「やんばる国立公園」に指定され、2021年7月には奄美や西表と共に世界自然遺産に登録されました。特に、沖縄本島最北端の岬である辺戸岬は、雄大な景色と歴史を感じられる人気の観光スポットです。この記事では、辺戸岬の魅力に加え、周辺の観光スポットやモデルコース、役立つ情報などを詳しく紹介します。
1. 辺戸岬:沖縄本島最北端の絶景
辺戸岬は、隆起したサンゴ礁の断崖絶壁から太平洋と東シナ海の2つの海を望むことができる絶景スポットです。 晴れた日には、水平線上に与論島や沖永良部島を眺めることもできます。

辺戸岬は、沖縄海岸国定公園に指定されており、遊歩道が整備されているので、高齢者やベビーカー、車イスでも安心して散策できます。 ただし、柵のない岩場には近づかないようにしましょう。 海中のサンゴや魚をより鮮明に見たい場合は、風が弱く、よく晴れたお昼頃に行くのがおすすめです。
岬の中心には、「日本祖国復帰闘争碑」が建てられています。 これは、アメリカの統治下にあった沖縄が日本に返還された証として1972年に建立されたものです。 かつて、統治下にあった頃は、日本復帰を願ってのろしを上げる式典も行われていたそうです。 また、平和大行進、かがり火集会、北緯27度線の海上集会など、歴史的にゆかりの地である辺戸岬と与論島との交流の記録も残されています。 辺戸岬は、平和を祈る場所でもあったのです。
1.1 辺戸岬観光案内所&展望台
2019年にオープンした「辺戸岬観光案内所 HEAD LINE」は、辺戸岬周辺の観光情報を得るのに最適な場所です。 1階は観光案内所、2階はカフェ、3階は展望台になっています。

展望台からは、辺戸岬周辺の海岸線が一望できます。 また、お土産も販売しており、ヤンバルクイナのTシャツや沖縄の焼き物、やんばるの天然蜂蜜などがあります。
辺戸岬の駐車場の近くには「カリユシの像」があります。 これは、太平洋戦争がはじまる以前から国頭村と交流が盛んな鹿児島県与論町から2001年に寄贈されたもので、愛と平和、旅の安全への願いが込められています。

1.2 辺戸岬でランチや休憩を楽しむ
辺戸岬には、軽食をとれる場所がいくつかあります。
- ふしくぶカフェ: 辺戸岬観光案内所2階にあるカフェ。 辺戸岬と2つの海を眺めながら、のんびりと過ごせます。
- 辺戸岬こうようパーラー: 観光客やツーリング、サイクリング客に人気のパーラー。
約30cmのチョリソーとエビフライが入った巨大なホットドッグが名物です。
1.3 辺戸岬はパワースポット!
辺戸岬は、パワースポットとしても知られています。 龍神様や不動明王が祀られており、 すぐ目の前にはパワースポットとして有名な大石林山もあります。 大きな波が打ち寄せる自然のエネルギーを体感できるのも魅力です。
1.4 辺戸岬ドーム: 海底鍾乳洞でダイビング
辺戸岬の北側に位置する辺戸岬ドームは、世界的にも珍しい海底の鍾乳洞です。 ダイビングスポットとして知られており、神秘的な水中世界を体験することができます。 周辺には、辺戸岬灯台もあります。
1.5 辺戸岬のレビュー
辺戸岬を訪れた人々のレビューを見ると、沖縄本島最北端ならではのダイナミックな景観に感動する声が多数見られます。 特に、晴れた日の海の美しさは格別で、水平線に浮かぶ島々を眺める感動は忘れられない思い出になるようです。 また、観光案内所やカフェなどの施設が充実している点も高く評価されています。 一方で、風が強い日には波しぶきを浴びてしまうこともあるので、注意が必要です。 ある旅行者は、辺戸岬の波の色を「サイダー色」と表現し、その美しさに心を奪われたと語っています。
2. 辺戸岬周辺の観光スポット
辺戸岬周辺には、魅力的な観光スポットが点在しています。
2.1 大石林山(ASMUI Spiritual Hikes)
辺戸岬から車で約5分の場所にある大石林山は、2億5千万年前の石灰岩が長い年月をかけて侵食されてできた、熱帯カルスト地形特有の奇岩・巨石群が見られる場所です。 2024年12月28日には「ASMUI Spiritual Hikes」としてリニューアルオープンしました。
琉球神話に登場する沖縄最初の聖地とされ、 山全体に50カ所以上もの御願所(うがんじゅ、拝所)が残っています。 パワースポットとしても有名で、 神秘的な雰囲気の中でトレッキングを楽しむことができます。
かつては「金剛石林山」という名称で、2018年4月には沖縄石の文化博物館とレストラン(ふれあい食堂なんと屋)を新設しました。
4つの散策コースがあり、体力や時間に合わせたコースを選ぶことができます。
- 奇岩・巨石コース: イグアナ岩やラクダ岩、縁結びの岩など、ユニークな形の岩々を眺めながら散策できます。 距離は1キロで、所要時間は35分ほどです。
- 美ら海展望台コース: 標高170mの展望台からは、辺戸岬や東シナ海を一望できます。
- ガジュマル・森林コース: 日本最大級のガジュマル「御願ガジュマル」など、亜熱帯の植物を観察できます。
- バリアフリーコース: 舗装路やウッドデッキが整備されているので、車椅子やベビーカーでも安心して散策できます。 長さ600メートルで、所要時間は約20分です。
項目 | 内容 |
---|---|
名称 | ASMUI Spiritual Hikes(アスムイ・スピリチュアル・ハイクス) |
住所 | 沖縄県国頭郡国頭村宜名真1241 |
電話番号 | 0980-41-8117 |
営業時間 | 9:30~17:30(最終受付16:30) |
定休日 | 年中無休 |
入場料 | 大人(15歳以上)2,500円、小人(6歳~14歳)1,000円 入場・シャトルバス・音声ガイド・ラウンジ利用込 |
アクセス | 那覇空港から車で約2時間30分 |
駐車場 | あり(無料) |
公式サイト | https://www.asmui.jp/ |
2.2 ヤンバルクイナ展望台
辺戸岬から車で約10分の場所にあるヤンバルクイナ展望台は、高さ11.5mの巨大なヤンバルクイナの形をしたユニークな展望台です。 展望台からは、辺戸岬周辺の海岸線や、晴れた日には与論島まで見渡すことができます。

ヤンバルクイナ展望台までの道は狭く、 駐車場もそれほど広くありません。 しかし、観光客は比較的少ないため、静かに景色を楽しむことができます。 展望台へは階段で登りますが、足腰が悪い方や小さな子供連れの方のために、展望台のすぐそばに展望デッキも設置されています。
ヤンバルクイナ展望台の下には、地元の人しか行かないビーチがあります。
2.3 茅打バンタ
辺戸岬から車で約5分の場所にある茅打バンタは、高さ約100mの断崖絶壁です。 「バンタ」とは沖縄の方言で「崖」を意味し、 茅を崖から投げ落とすと強風でバラバラになることから、この名前がついたと言われています。

展望台からは、やんばるの山並みと東シナ海を一望できます。 眼下には、澄んだ海原に浮かぶ伊平屋島や伊是名島を眺めることができます。 茅打バンタは、やんばるでも指折りの夕日の名所としても知られています。 切り立った断崖と穏やかな海とのコントラストは、訪れる人々に強い印象を与えます。
2.4 奥共同売店
辺戸岬からほど近い奥集落にある「奥共同売店」は、沖縄の共同売店発祥のお店です。 地元の特産品や日用品などを購入することができます。
3. 沖縄本島最北端観光モデルコース
1日コース
- 午前:那覇空港からレンタカーで辺戸岬へ (約2時間30分)
- お昼:辺戸岬観光案内所「HEAD LINE」の「ふしくぶカフェ」でランチ
- 午後:辺戸岬周辺を散策し、景色を堪能
- 夕方:大石林山でトレッキングを楽しむ (約1~2時間)
- 夕方以降:宿泊施設へ
4. 辺戸岬へのアクセス
4.1 車・レンタカーでのアクセス
沖縄自動車道の北の終点である許田ICを降りてから、国道58号線を北上し、約1時間30分。 途中、名護市内をスルーできるバイパスの分岐がありますので「道の駅許田」を過ぎたら右車線へ移っておき数久田ICへ進むとスムーズです。そのまま進めばまた58号線に戻っていきます。 那覇市内からは、3時間をドライブの目安にしておくと安心です。
4.2 路線バスでのアクセス
- 那覇バスターミナル(沖縄都市モノレール線旭橋駅付近)から、名護西線(20番、120番)名護東線(77番)、または高速バス(111番)にて、名護バスターミナルへ。
- 名護バスターミナルより67番・辺土名線(琉球バス交通・沖縄バス)に乗り換えて辺土名バスターミナルへ。
- 辺土名の村営バス待合所より国頭村営バス奥線に乗り換えて辺戸岬バス停、又は辺戸岬入口バス停にて下車。
- 辺戸岬バス停は辺戸岬園地内にある。 辺戸岬入口バス停は国道58号沿いにあり、辺戸岬へは徒歩約10分かかる。
5. 沖縄本島最北端観光のポイント
- 服装: 夏は暑く、冬は風が強い日が多いので、服装に注意しましょう。 特に、冬に辺戸岬を訪れる際は、防寒対策をしっかりとしていきましょう。
- 持ち物: 大石林山など、山道を歩く場合は、飲み物を持参しましょう。 また、辺戸岬周辺は、携帯電話の電波が届きにくい場所があります。 事前に地図をダウンロードしておくと安心です。
- ** footwear**: 辺戸岬周辺は、自然豊かな場所です。 歩きやすい靴で行きましょう。 大石林山では、トレッキングシューズがあると便利です。
- 交通手段: レンタカーがあると便利です。 公共交通機関を利用する場合は、バスの本数が限られているため、事前に時刻表を確認しましょう。
- 時間: 沖縄本島北部は、那覇空港から車で約2時間30分と距離があります。 時間に余裕を持って計画しましょう。
6. まとめ
沖縄本島最北端は、雄大な自然と歴史を感じられる魅力的な場所です。 辺戸岬周辺は、沖縄の中でも特に手つかずの自然が残る地域であり、世界自然遺産にも登録された「やんばる国立公園」の中心に位置しています。
辺戸岬からは、太平洋と東シナ海の2つの海を同時に見渡すことができ、晴れた日には水平線に浮かぶ島々や鹿児島県最南端の島「与論島」を眺めることもできます。周辺には、海底鍾乳洞でダイビングを楽しめる辺戸岬ドームや、沖縄の共同売店発祥の店である奥共同売店など、個性的なスポットも点在しています。
また、辺戸岬から少し足を延ばせば、亜熱帯カルスト地形の奇岩・巨石群や神秘的な森を散策できる大石林山、巨大なヤンバルクイナの形をした展望台から絶景を楽しめるヤンバルクイナ展望台、高さ100mの断崖絶壁から雄大な景色を望む茅打バンタなど、魅力的な観光スポットが目白押しです。
沖縄本島最北端を訪れる際は、時間に余裕を持って計画し、歩きやすい靴や服装で行きましょう。レンタカーがあると便利ですが、公共交通機関を利用する場合は、事前に時刻表を確認しておきましょう。